季節前線シギチドリも終盤

シギチドリの初認調査である季節前線シギチドリも、ほぼ全国的に観察され終盤になってきました。
今年はやや早い印象でしたが、また例年の傾向と比べてみようと思っています。今春は、日本周辺の越冬の状況や渡来の状況を確認できるように、台湾、中国、韓国、ロシア、米アラスカの公開されている観察データをeBird から抽出して同時に図示しました。

なかなか興味深く、渡りのパターンをもっと広い視野でとらえることが出来そうです。ムナグロとオオソリハシシギは、日本を経由してアラスカに移動します。日本への渡来はムナグロに比べて、オオソリハシシギは早いのですが、繁殖地であるアラスカにはどちらも5月中旬ぐらいに観察され出しています。渡りのタイミングや、移動を始める動機、移動を始めてからの中継地での滞在期間やどこで滞在するかなどが調べられないかと思っています。

ムナグロ(左)とオオソリハシシギ(右)の観察時期(寒色系は時期が早く、暖色系は時期が遅いことを示す)
「eBird」からRパッケージrebirdを利用して参照しています。eBird. 2021. eBird: An online database of bird distribution and abundance. eBird, Cornell Lab of Ornithology, Ithaca, New York. Available: http://www.ebird.org. (Accessed: 8. Apr.,2024).

 台湾や韓国、中国などでは観察データが充実していますが、ロシア極東地域はあまりデータが無いようです。アプローチが難しい場所が多いことや、昨今の政治的な影響もあると思いますが、オホーツク海周辺がブラックボックスなのは気になりますね。