今年の九十九里浜でのシロチドリ調査

シロチドリのクラファンを担当していた野村さんが3月末に退職したため、守屋が報告します。

砂浜におけるシロチドリ調査の活動を応援いただき誠にありがとうございます。
皆さまのお陰で、今年度も活動できています。

 今年度、九十九里浜のシロチドリ調査グループは、砂浜のシロチドリとコアジサシのモニター調査、捕獲標識して分散や移動を調べる調査、また、信州大学の笠原研究室と遺伝子調査のサンプルのための採血などを行いました。

 今年確認したシロチドリの巣は30巣、まだ詳しく解析はできていませんが3割ほどが孵化に至ったと推測されます。そして発見した巣の環境データを積み上げることができました。また、標識放鳥したシロチドリは23個体になります。8月にもなると徐々に繁殖地を離れていくシロチドリもいます。越冬期に、もし足環をつけたシロチドリがいましたらご報告いただければ幸いです。繁殖地と越冬地はどちらも彼らにとって重要な生息地であり、そのつながりを確認することができます。

 昨日、うれしい再会がありました。標識個体”黄青”は、2015/5/14に捕獲放鳥された少なくとも10才のオスです。2021/12/30に徳島県で観察されて以来消息が途絶えてましたが、繁殖地に帰ってきていました。 

 今期は、いくつかのコアジサシのコロニーもできていて、調査中に出会う人にシロチドリやコアジサシのことを話す機会がありました。皆さん、やはりよく知らないのですが、話すと関心をもってくれ、砂浜を気をつけて歩いたり、コアジサシのコロニーを避けて汀線際を歩いてくれるようになります。今年は普及啓発を積極的に行っていませんが、また機会を見つけてイベントができればと思います。話をしに出向くこともできますので、興味がありましたらお声がけください。

 また、シロチドリにGPSを装着して移動経路・中継地点を調べることを計画していますが、今期は取り付けるデバイス装置が間に合わないため、来期、準備万端で始めようと思います。

 来年も皆さまからお預かりしているご寄付を活用させていただき、砂浜のシロチドリやコアジサシの調査・保護活動を継続して参ります。活動情報はバードリサーチのブログ等で発信いたしますので、引き続き、応援いただけると幸いです。

(守屋)