全国鳥類繁殖分布調査の結果も利用されている『安曇野市版レッドデータブック改訂版2024』を事務所に送っていただきました。
鳥類は35種が掲載されています。選定された鳥類の主な減少要因としては土地・河川の開発や改良による生息地の喪失が挙げられていました。特にササゴイなど魚食性の鳥類でレッドリストのカテゴリーの上昇や追加があり、餌となる魚の減少が懸念されているようです。
安曇野を特徴づける果樹園は国内にわずかに残されたアカモズの生息地として機能しており、果樹園とアカモズについてはコラムにも紙幅が割かれていました。アカモズや、同じく個体数の少ないチゴモズは繁殖地としての安曇野の環境だけでなく、越冬地の環境の悪化が減少の原因として考えられそうです。
安曇野市内の野生生物の生息・生息状況がよく整理され記述してありますが、なお情報が不足している種も多いそうです。今後求められる取り組みとして、博物館や大学、NPO、市民による調査研究の充実、生物情報を活用するためのデータベースや体制の充実が挙げられています。全国鳥類繁殖分布調査で大きなデータ源になったバードリサーチのフィールドノートなどの情報も、今後もこうした場面で貢献できると考えています。