モニ1000陸生鳥類調査 @佐渡2025繁殖期1回目

5月末に、佐渡にある2つのサイトの調査に行ってきました。佐渡では新潟大学の演習林内にある標高900mほどの大佐渡サイトと、小佐渡山地の標高200mほどのところにある小佐渡サイトの2箇所でモニタリングを続けています。

例年、1回目の調査はもう少し早くに行うのですが、今年は冬に大佐渡山地で積雪量が多かったそうで、当初の予定ではまだ雪が多くて入山できず、5月末に1回目の調査となりました。大佐渡の調査地点は、麓の県道から車で山道を1時間弱行ったところにあります。調査は朝4時ごろからするので、前日の明るいうちに入山して車中泊しています。

調査地点付近から見る日の入り

19:05の日の入りの頃には、初めの調査地点からわずかに標高が低いところの近くでクロツグミやホオジロ、ウグイス、ツツドリがさえずっていました。直後から北側の斜面下方でヨタカが鳴きはじめ、19:21までホオジロ、かなり暗くなった19:24までクロツグミがさえずっていました。

大佐渡サイトでは、長期的にヤマガラ、メジロ、ヒヨドリが増加してきている傾向がありました。いずれも南方系の鳥なので、大佐渡山地でも温暖化の影響によって南方系の鳥が増加してきているのかなと注目しています。ところがヤマガラは2021年をピークに減少に転じ、今回の調査ではヤマガラがほとんど記録されませんでした。2回目の調査でどうなるか気になります。

ヤマガラの記録個体数の経年変化

調査後は梢でさえずるミソサザイやイカル、林内のコルリなどを観察しながら降りてきました。

翌日は小佐渡サイトの調査でした。こちらは集落の裏から伸びる農道沿いに調査定点があります。しかし、ここ数年で奥の方の農地が耕作されなくなったようで、道がかなり荒れてきました。前日に下見したところ、去年までは綺麗にしてあった道にも杉の落枝や倒れた竹が目立ち、整備する必要がありました。集落の方とお話しする機会があったので様子を伺ったところ、どんどん人が減って、道の整備もままならなくなってきたとのこと。全国各地で同じようなことが起きていますが、次回調査や越冬期調査など、行くたびに少しずつ整備もしながら、モニタリングを続けていければと思います。