モニ1000の越冬期調査の季節が始まりました。越冬期の調査は、全国で12月中旬から2月中旬が目安になっています。さっそく、東大の秩父演習林に設置されているサイトへ調査に行ってきました。それに合わせて、8月に回収しておいた巣箱を、次の繁殖期に向けて設置してきました。

調査ではいつものカラ類、キバシリ、ルリビタキ、マヒワ、ヒヨドリなどが記録されました。ここ数年、秩父サイトから直線距離で5kmほど離れていて少し標高の高い大山沢サイトでは、越冬期にコガラの記録数が増えてきています。高標高地で繁殖したコガラは、冬には標高の低い場所に移動する個体が多いとされていますが、気候変動の影響なのか、標高の高い場所でも越冬期に残る個体が増えているという結果が現れてきているようです。

大山沢サイトは、現在は林道の崩落が激しくなって調査できていないのですが、次の繁殖期は調査体制を整えて調査できればと検討しています。
調査後に、コガラがリョウブの実を食べているのを観察しました。


脚で押さえて食べているようですが、遠くから見ていると、実のどんな部分を食べているのかよくわかりません。そこで、いくつか生えているリョウブの木の下に行って落ちているふさを拾ってみたところ、こんな感じでした。

中にはごく小さい種子が入っていて、ほぐすとパラパラとそれが出てきました(写真の茶色い粒)。おそらくこの種子を食べているのでしょう。器用なものですね。こうした観察記録もちまちまとためていこうと思います。
コガラのグラフの出典(PDF直リンク)
モニタリングサイト 1000 陸生鳥類調査情報 2024 年 9 月号 Vol. 16 No. 1
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