モニ1000陸生鳥類 現地研修会をしてきました

バードリサーチと野鳥の会で担当しているモニタリングサイト1000森林草原生態系の陸生鳥類調査で、数年ぶりに現地研修会を開催しました。今回は長野県北部の志賀高原でおこないました。

土日開催で、1日目がモニタリングサイト1000の概要や調査の成果についての座学講習、2日目を調査サイトでの調査実習を予定していましたが、日曜が雨の予報だったので順番を反対にして1日目に調査実習をしました。
開催地はコアサイトであるおたの申す平サイトです。コアサイトは毎年調査をおこなっているサイトで、全国に20箇所あります。私たちが担当している鳥類調査の他に、植生調査や地上徘徊性昆虫の調査もつづけられています。ここは、近くにあるもう一つのコアサイト、カヤの平サイトとともに、陸生鳥類調査のコアサイトの中では最も冷涼な気候にある場所です。冬は雪深いので越冬期調査ができませんが、繁殖期の調査ではウソ、ホシガラス、キクイタダキ、エゾムシクイ、クロジといった鳥が記録されるのが特徴です。

おたの申す平サイトをのぞむ
コアサイトのおたの申すサイトをのぞむ ダケカンバやコメツガ、クロベなどの木が多い冷涼な森林です。

ここで鳥の調査を担当している堀田さんに案内していただいて現地調査の研修をしました。

堀田さんに案内していただいて調査
堀田さんに先導していただき、調査実習へ

実際の調査では、1つのサイトに5箇所の調査定点があって、それぞれの定点で10分間の定点調査をします。実習では2箇所で10分ずつ、みんなで一緒に調査をしてみました。天気も良くなくあまり多くの鳥は出ませんでしたが、ルリビタキ、ツグミ、カケスなどがちらほら記録されました。

鳥や植物の説明

調査の後、2羽のコガラがコシアブラの実を食べている様子を観察したので食性データベースにも記録。

コシアブラの実をつまみ取るコガラ

2日目は室内で環境省生物多様性センターからモニタリングサイト1000調査の概要、野鳥の会の奴賀さんから一般サイト、私からコアサイトの成果報告、堀田さんからおたの申す平サイトの概要について紹介しました。

環境省生物多様性センターよりモニ1000全体の説明
堀田さんよりおたの申す平サイトと、サイトのある信州大学教育学部附属志賀自然教育研究施設の紹介

調査講習ではたくさんの質問があがり、今後の調査をお願いする話をしたり調査同行の相談があったりと、主催者側にとっても実りの多いものになったと思います。現地開催での研修会は私が担当になってからは初めてのことでしたが、参加者の皆さんと様々交流ができて貴重な時間になりました。

志賀高原までは長野駅でレンタカーを借りて奴賀さんと来ていたので、帰りは休憩がてらふもとの渋温泉に立ち寄って木造建築を見たり、喫茶店で栗ぜんざいをいただいたりしながら長野駅に向かいました。

次は12月7日(日)の午後にオンラインで研修会を行う予定です。こちらのページで参加申込を受け付けていますので、ぜひご参加ください!