「野鳥の食事辞典」を使った模擬授業を考えてみました。

10/1発売の「野鳥の食事辞典」ですが、重版決定とのことです。
ありがとうございます!
さらなる活用を目指して(販促?)、本書を使ってこんな模擬授業はいかがでしょう。生き物同士のかかわりや、野鳥の体がそうなっている理由、なぜそこにその鳥はいるのということが学べると思います。

『野鳥の食事事典』(山と渓谷社)
https://www.yamakei.co.jp/products/2825230280.html

===野鳥の食事辞典を使った模擬授業===

小学生向け(45分)
テーマは「くちばしは道具、食べ物で暮らしが決まる!」

●ねらい
 鳥のくちばしや足の形から、食べ物や暮らし方を想像できる。
 本を手がかりに、身近な鳥の“好きな食べ物”を調べて紹介できる。

●準備するもの
 『野鳥の食事事典』(教員用+できれば数冊:一括購入はご相談ください)
 写真カード(スズメ/ハト/カモ類/カワセミ/シギ・チドリ/トビ など8–10種)
 “くちばし道具”セット:割りばし・ピンセットなど
 “エサ”に見立てた素材:米粒・ドングリ、輪ゴム(ミミズ代用)・ビーズ(種子)・スポンジ片(藻)・クリップ(貝)など
 トレー、タイマー、ワークシート(実験メモ、辞典調査メモ、今日の発見)

●授業の展開
0–5分|導入ミニクイズ
 「くちばしクイズ」— 細長いくちばしは何を食べる?(指さしで回答)→答えは後で!
 *今日のゴール「くちばし=道具、食べ物で暮らしが決まる」を提示。

5–20分|体験:くちばし実験
 グループに分かれて体験:
  食べ物に見立てた、ビーズ、ドングリなど(同量のもの)をトレーに入れて各グループに配布。
  嘴に見立てた、以下のもので取り出す。
   ・ピンセット=小さな餌をつまむ
   ・割りばし=大きめの実をつかむ
   ・ほかにトング、ペンチなど
  道具を変えて1分トライ→30秒で結果をワークシート記入
 *何が何を取りやすかったか。食べ物にあった嘴の形があることを踏まえる。

20–23分|本の紹介
 『事典』のページ構成の見方(イラスト/食べ物/採食行動/どこに住んでいるかマーク)を紹介。

23–35分|調べて発表:事典活用
 写真カードを1人1枚(またはグループで1枚)配布。地域で身近な鳥だとより良い(トキ、コウノトリなど)。
 『事典』でその鳥の食べ物と採食のしかた、食べ物からどんなところにいるかを探し(掲載していない種なら近い種を見つけて推測する。)、「くちばし道具は何タイプ?」「どこで食べる?」をワークシートにメモ
  → 1分ずつミニ発表。

35–40分|まとめ:クイズの答え
 冒頭クイズを回収。くちばし形と食べ物の対応を整理・説明
 (つまむ以外にも:裂く:ハヤブサ/さす・ほじる:コゲラ/こす・こしとる:オオハクチョウ/割る:イスカ)。

40–45分|ふりかえり
 ワークシートの「きょうの発見」1文を書く。
 数人が代表で読み上げて終了。

●理解度の評価
 「嘴の形→食べ物→場所」の3点を結べている
 『事典』情報を根拠に検索ができている

●宿題(任意)
 自宅周りや通学路で見た鳥1種を『事典』で調べ、食べ物とくちばしの写真をノートに貼る(または描く)。
 バードリサーチの食性データベースに観察結果を送ってみる(先生よろしくお願いします)!

リンク
食性データベース(バードリサーチ)