夜に採餌している鳥の記録

今日は冬至ですね。岐阜の友達のお家でもらったゆずをお風呂に入れるのを楽しみにしている月曜日です。

一年で最も夜が長い日ということで、食性データベースに登録されている、夜に採餌している鳥の記録をみてみました。大雑把に21時から3時までを夜として記録を見てみたところ、6種で18件の記録がありました。全体で6800件以上の記録がある中ではまだまだかなり少ない数です。

一番多かったのはヤマシギで10件ありました。全て、ものすごく多くの記録を登録してくださっている吉村正則さんによる香川県の河川敷からの記録でした。どれもミミズを食べた記録です。

撮影 吉村正則

オオコノハズク、リュウキュウコノハズク、アオバズクと、夜の鳥というイメージが強いフクロウ類の記録は1件ずつあります。アオバズクは、種はわからないもののウグイスのような小鳥を掴んでいたそうです。夜中に寝ているところを襲われたのかもしれません。

ハシブトガラスは、1時30分にパンを咥えて飛んできて、屋上で咥え直し、貯食のために移動したという記録でしたが、もしかすると13時30分の誤記入かもしれません。その場合は後日修正します。

おもしろかったのはドバト(カワラバト)で、4件の記録があります。夜行性の鳥という印象は特にありませんが、明るい駅前などで夜中にヒトがこぼした食べ物を食べているようです。人の暮らしに適応して、夜中にも採餌するものがいるのですね。

夜の駅のホームを歩いて餌を探すドバト(23時23分)
駅のパン屋さんのテラス席があるところで、落ちているパンくずを食べるドバト(22時31分)
夜の駅前で、落ちているご飯粒を食べるドバト(1時50分)

人工光に適応して活動時間が長くなった鳥についてはいくつか研究があります。アメリカで100年以上にわたって博物館で収集・収蔵されてきた6種の鳥の標本の眼の形態から、人工光による鳥の変化を調べた研究では、イエスズメやワシミミズクで、薄暗い環境での視力が夜中の人工光の指標と強く関連して変化してきたことがわかりました。(BIRDER2025年12月号に簡単な論文紹介を書きました)この研究ではドバトは出てきませんでしたが、明るい環境のドバトは活動時間が長くなっていたりするかもしれませんね。

夜は鳥を見に出かけることは少ないと思いますが、採餌場面を見かけたらぜひ投稿をお願いします!
食性データベースはこちら(写真はなくてOK!)

参考文献
Wolf, M. M., & Francis, C. D. (2025). Eye catching light: Anthropogenic light at night and its evolutionary influence on the avian eye. iScience, 28(3), Article 112039. https://doi.org/10.1016/j.isci.2025.112039