植林地の視察と鳥の講演 in 岐阜

先日、WWFジャパンの森林グループの方たちに連れられて、岐阜県の山あいの林業が盛んなところへ行ってきました。バードリサーチでは、モニタリングサイト1000の事業で、自然度の高い森林などの調査を実施していますが、日本の国土のかなりの面積は、スギやヒノキなどの植林となっています。これらの場所は、自然度の高い森に比べると鳥の種数や生息数が少ないものです。今回視察させてもらった地域でも、鳥が豊富な森もあれば、閑散としている森もありました。鳥の生息しづらい一部の植林(管理の仕方や隣接環境によっていろいろあります)を、管理の仕方の工夫やちょっとした保全の取り組みで、鳥がたくさん生息できる環境にすることができたらいいのにな、ということを最近考えています。

私の講演では、森林の鳥といっても、いろんな鳥がいること、それぞれ好む環境があること。その違いは、巣場所や食べ物の好みの違いに起因している、という話をしました。たくさんの鳥が生息する森を作っていくためには、彼らの生態を理解して、今まで排除していた多様な物を、森に組み込んでいくことが必要になります。植林された人工林は、生産活動の場でもあるので、良い接点を見つけていくことも大事だと思います。

滞在させていただいた町は、水路が整備されていて、水の豊かなところでした。そのせいか、キセキレイがたくさん見られたほか、ツバメやコシアカツバメなども賑やかでした。