鳥を識別する双眼鏡 写真撮影機能が秀逸

 バードリサーチニュース(2024年7月: 1)で紹介しましたが、今年のゴールデンウィークに青森県の津軽半島の北端に行ってきました。レーダーによる夜渡る小鳥の原星一さん田中涼太郎さんとの共同調査のためです。メインは夜の調査でしたが、早朝に岬から海に飛び出していく鳥たちの観察もしました。上空を北へ抜けていく鳥もいれば、地面に沿ってわらわらやって来て、岬の斜面にいったんとまってから、おもむろに渡って行く鳥など、風などの条件も関係するかもしれませんが、種による違いが見れて楽しい観察でした。

一緒に調査していた笑顔の田中涼太郎さん(左)とAX VISIO 10×32 JPNを覗く高木。

 この調査に、スワロフスキー・オプティックの代理店をされているハクバ写真産業の担当者の方に来ていただきました。その際、スワロフスキーの最新機種を含めたいくつかの双眼鏡や望遠鏡をお持ちいただきました。望遠鏡のほうも大人気だったのですが、私は双眼鏡(AX VISIO 10×32 JPN)の方が気になりました。
 双眼鏡で鳥を捉えてボタンを押すと識別して種名が接眼レンズのところに表示されるのです。鳥を覚えるには、フィールドで自分で観察しながら覚えるのが良いですが、それには見た鳥をすぐに教えてくれる仲間の同行が必要です。しかし、この双眼鏡があれば、一人学習も思いのまま。
 でも、AX VISIOがすごいのは、それだけじゃなかったのです。写真撮影機能を搭載していて、ネット環境があれば撮影した写真データをスマートフォンにも転送できるのです。この機能は、調査との親和性がとても高いと思いました。写真に日時やGPS情報が乗るということは、双眼鏡で観察しながら記録したい時にボタンを押せば、映像と共にデータが生成されていくことになるのです!これは、絶対、なにか、調査ネタでコラボ企画を考えなければ!!!

可能性しかない食性データベースとAX VISIO

 バードリサーチでは、「食性データベース」プロジェクトを実施しています。これは、鳥がいつどこでどんな食べ物を食べていたかのデータを蓄積していこうという活動です。地道な取り組みではありますが、ビッグデータになるとさまざまな研究の素材になり得るものです。
 鳥が獲物を咥えている瞬間を、AX VISIO 10×32 JPNで撮影し、タグをつけてSNSに投稿してもらえれば、半自動的に食性データベースに登録されて、将来の研究に貢献できる、なんて仕組みなら、低いハードルで越えられそうです。コラボ企画の立ち上げは、ハクバ写真産業と相談して、いずれ、、、できたら嬉しいな。
 ハクバ写真産業とのコラボではないのですが、現在「食性データベース」プロジェクトでは、academistのサイトでクラウドファンディングを実施しています。2024年09月06日までの間に目標金額1,000,000円を目指しています。どうか、ご支援をお願いいたします。