2024/4/29のブログに「鳴き声によるAI識別を試してみる」、5/21に「BirdWeatherに登録してみました」を投稿しました。7日ほど機械の不具合で稼働していない日がありましたが、5月から10月下旬まで稼働させて、23,229の音源データを得ました。AI識別で自動判定された種は83種になり、最も記録されたのは、ヒヨドリ、2位シジュウカラ、3位メジロ、4位キジバト、5位スズメとなってます。
ただ、オナガミズナギドリ、シロハラミズナギドリ、ミヤコドリなどの東京都北多摩地区から生息域がかなーり離れていて存在した可能性が低い種のデータや、虫の鳴き声を誤判定しているデータ、エンジン音などの生活音を誤判定しているデータもあり、自動判定の結果そのままをすべて利用するのは難しいと思われました。逆に、実際フクロウが鳴いていた瞬間にフクロウが記録されておらず、AIが野鳥と判定できず聞き逃しているデータもあることがわかりました。また、あまり特徴がない声を持つ種は識別が得意ではないようです。
ただ、分布や生息環境、時期があやしい種や希な種が記録されたときは、録音ファイルが残るので確認して除外することができます。また、誤判定にパターンがあり抽出が容易でしたので、もっと場所に特化してAIが機能できるようにできそうです。
さて、もともとは家の周囲にキジバトは一年中いるのかという疑問を証明しようと設置しました。やはり、24時間耳をそばだてることは人には無理なので強力なツールです。また、頻出の種に関しては確実に判別できていたので信用できるデータになっていました。TOP5の鳴き声が記録された回数を日付で並べた図を下に示します。
縦軸は鳴き声が記録された回数ですので、1羽がずっと鳴きつづけるとデータは多くなるため、必ずしも個体数の多さを表しているわけではありません。しかし、よく鳴く=活発さの指標にはなるかもしれません。
スズメを除く留鳥と呼ばれる上位4種は、春から秋にかけての家の周辺に生息しているようです。また春から夏までに記録が多く録れていました。鳥によって特徴があり、繁殖期の長さや時期が把握できそうです。ヒヨドリは秋になって記録が増えており、渡りの様子を示していると思われます。スズメは、夏の終わりごろから記録が途絶えていて、主に生活している場所は離れているのかもしれません。
さらに、データを重ねて、分析を行おうと思います。また、もう少し定点を増やしたいですね。