日本で見られる野鳥は約600種いて、その多くが渡り鳥です。なかでも春から夏にかけて日本でヒナを育て、冬を東南アジアで過ごす渡り鳥は「夏鳥」と呼ばれ、姿や鳴き声の美しい小鳥類が多いので、バードウォッチャーには人気があります。しかし東南アジアの森林は、伐採やアブラヤシのプランテーション、農地への転換などにより減少を続けていて、夏鳥たちが越冬できる環境は減少しています。
私たちはフィリピンのNGO、Cordillera Green Networkと共同で、2019年からフィリピン、ルソン島の山岳地帯で野鳥の調査を始めました。ここには森林を持続可能に利用して作物を栽培をするアグロフォレストリーという手法でコーヒーが生産されています。この地域では森が焼かれて畑地に変わりつつありますが、アグロフォレストリーのコーヒー農園の森は野鳥の住処になっていて、私たちは11種類の夏鳥を見つけました。
そして、ルソン島のアグロフォレストリー農園で生産したコーヒーの販売をはじめました。このコーヒーを購入していただくことで、農家は安定した収入が得られて、森を守りながらコーヒー生産を続けることができます。売り上げの一部はバードリサーチへの寄附金になり、現地での野鳥調査のために使わせていただきます。
詳しくは、こちらのWebサイトをご覧下さい。コーヒーの通販サイトも、ここからリンクしています。

Agroforestry Coffee and Migratory Birds | Top
夏鳥の越冬地を守る森で育てたアグロフォレストリーコーヒー。提携店で販売し農家に利益を還元しながら、研究と保全をつなぐプロジェクト。